転職活動をしている時に、転職理由を何といったら好印象になるのか悩んだことはありませんか?事実を脚色せず魅力的に転職理由を伝えることで印象が良くなり転職成功率が上がるかもしれません。
本記事では、ネガティブな転職理由をポジティブな理由に変える具体例など分かりやすく説明します。転職時に覚えておきたいポイントを押さえることで、転職活動を上手く乗り越えましょう。
なぜ面接官は転職理由を聞くのか
日本の社会には、転職をあまり好まない風潮がまだまだ残っています。転職の理由がポジティブなものならば良いのですが、ネガティブな理由である場合、転職理由を聞かれることは不安材料であり、大きな関門です。
面接で必ず聞かれる質問
応募先の企業にとっても、新しい社員を採用することは、とても大きな意味を持ちます。「なぜ会社を辞めようと思ったのか」「なぜ自社に転職しようと思ったのか」という2つの質問は、必ずといっていいほど質問されます。
それは企業側が、「どのような人物で、自社にマッチした人物なのか」、「採用することで自社にどのようなメリットがあるか」など、企業との相性を見ているのです。
面接官が転職理由を聞く理由
それでは企業との相性が良いとは、どういうことでしょうか?例えば、週休2日制を取りたいと希望していた人が、休日に急な呼び出しのある会社でやっていけるでしょうか?また、性格的な面では、接客や社員同士のコミュニケーションを大切にしたい会社に、最低限のコミュニケーションだけにとどめたい人が入社してきても敬遠されてしまいます。
つまり、「なぜ会社を辞めようと思ったのか」「なぜ自社に転職しようと思ったのか」という質問は、「入社後活躍できる人物か」「入社後すぐに辞めないか」という懸念を払拭するベースとなる質問なのです。
転職する理由
ここでは整備士の転職理由として、上位に挙げられる項目を紹介します。
ポジティブな理由 | ネガティブな理由 |
・もっとスキルアップしたい ・お客様ともっと接したい ・先進技術を学びたい |
・人間関係が上手くいかなかった ・給料、休み、社会保険など待遇が悪かった ・仕事がきつかった |
自動車整備士の仕事は、勤め先によって異なりますが、土日に休みが取れない、残業が多い、給料が安いなど待遇面の悪さなどが転職理由の1位にあがりがちです。しかし、同時に接客が好きなどポジティブな理由であれば、実績と併せて面接時にアピールしていくと良いでしょう。
転職理由の回答ポイント
休日が少なくて、転職を決めた人を例に挙げて、転職理由の模範となる回答を探ります。待遇面などはセンシティブな転職理由は敬遠されがちですが、そのような事例でも、好印象を与える秘訣がありますので、参考にしてみてください。
言い方を変えてみる
「休日が少なかった」を、「仕事に打ち込んだ」と替えるだけで、面接官に与える印象が大きく変わります。ネガティブに伝えるのではなく、ポジティブな言い方に変えてアピールポイントにしましょう。
具体的に話す
「休日が実質50日程度しか取得できなくなり、パート雇用を増やすなど改善案を提案しましたが受け入れられず、家族との時間も減り、このままでは将来心身ともに疲弊してしまうと転職を決意いたしました」と、嘘はいわず、言葉を選んで事実を伝えましょう。
転職理由と志望理由をリンクさせる
前述で述べた理由のあとに、そういった理由で「御社の待遇面に魅かれました」と、志望動機につなげます。待遇面だけを志望動機にしてしまうと軽い印象になり、「もっと待遇が良ければ辞めてしまうだろう」と思われてしまう可能性があります。
また、仕事内容に関することも志望理由として挙げると熱意が伝わるのでおすすめです。
「御社では、ハイブリッド車やEV車を多く取り扱うとお聞きしました。まさしく私が興味を持ち、携わりたい分野です」
仕事内容にも触れて、前向きなやる気をアピール
「電子制御やOBD2など頻繁にアップデートされる最新技術の学びを常に怠らず、整備士としてさらなる高みを目指したいです。かなりの時間を仕事に打ち込んでこられた心身の健康も持ち合わせていますので、真面目に勤務し、御社のお役に立ちたいと存じます」というように、前向きでやる気があることをアピールしましょう。
主な志望動機が待遇面だとしても、仕事面での熱意を上乗せするようにし「すぐに辞めそうにない」、「採用したらメリットが多い」などのプラスの印象を持ってもらうことが重要になります。
回答例全文:
休日が実質50日程度しか取得できなくなり、パート雇用を増やすなど改善案を提案しましたが受け入れられず、家族との時間も減り、このままでは将来心身ともに疲弊してしまうと転職を決意いたしました。そのため、正直な気持ちとして、御社の待遇面に惹かれました。
同時に、御社では、ハイブリッド車やEV車を多く取り扱うとお聞きしました。まさしく私が興味を持ち、携わりたい分野になります。電子制御やOBD2など頻繁にアップデートされる最新技術への学びを怠らず、整備士としてさらなる高みを目指したいです。多くの時間を仕事に打ち込んでこられた強い気持ちも持ち合わせていますので、真面目に勤務し、御社のお役に立ちたいと存じます
転職理由でいわない方が良い回答
ここでは休日が少ないという理由で、転職を決めた人を例に挙げます。
事実をいっても良いが、愚痴や悪口に結び付けない
例1:「休日が実質50日程度しか取得できなくなり、改善案も受け入れてもらえませんでした。」
例2:「休日が実質50日程度しか取得できなくなり、それでも会社のために仕事に励みました。しかし、それが当たり前となり、正当に評価されることはありませんでした」
事実を簡潔に述べるだけなら良いのですが、例のように自分のネガティブな感情は入れてはいけません。受け取る側として聞くと、ただの悪口に聞こえてしまいます。
勤めていた会社を法律違反だと批判する内容は、愛社精神がなく、ネガティブな気持ちを伝えてしまっているので、面接官にマイナスなイメージがついてしまうこともありますので、注意するようにしましょう。
辞めた理由だけで転職後のビジョンを語っていない
「休日が実質50日程度しか取得できず、改善案も受け入れられませんでした。多くの同期も辞めていきました」
確かに事実を淡々と話していますが、「転職を希望する会社へ入社したらどうしたいのか、どう貢献したいか」が全く語られていません。これでは、何のために転職をするのか、何も伝わりません。転職後、どのように活躍していきたいのか明確なビジョンをしっかりと伝えることが重要です。
転職理由を作成する3つのステップ
次の3つのステップを押さえることで、転職する際に持たれがちなマイナスな印象を最小限にとどめ、場合によってはプラスのイメージを与えることができるでしょう。
退職理由を書きだす
給料が安い、上司と合わない、職場の人とコミュニケーションが上手くいかない、残業が多い、急な呼び出しがあるなど、素直な気持ちで一旦理由を書いてください。
体裁など考えず、正直な理由を書くことです。ネガティブな思いを引きずっている場合は、それだけで思考が楽になり、退職理由の明確化につながります。
退職理由を前向きな発言に言い換える
退職理由をポジティブな言い方に変えるだけで面接官に良い印象を与えることができます。
例
- 給料が安い
→努力を怠らない真面目さがある。 - 人とのコミュニケーションが好きではない
→黙々と仕事に邁進できる。 - 急な呼び出しがあった
→休日返上で、仕事に打ち込んだ貴重な体験だった、信頼されていたから呼び出された。 - 転職回数が多い
→新しい風土にも恐れず飛び込めるチャレンジ精神とコミュニケーション能力があり、その度に転職に成功するのは実績もあるから。
しかし、無理をしなければポジティブに変換できない理由は、転職理由からそぎ落としましょう。なぜなら、取り繕っても、ほとんどの場合見抜かれますし、偽った人物像で就職をしても、そのあとの仕事が苦しく感じてしまうからです。無理のない範囲で、アピール材料に変えることを意識しましょう。
応募先の企業でのビジョンを加える
面接の前に、ホームページなどで企業情報を調べておきましょう。企業情報を確認しながら、企業に貢献できるポイントや、就職したあとのキャリアプランなどをイメージし、それを具体的に面接で伝えてください。
企業は自社にメリットがない人物は採用しません。互いがwin-winの関係を持てるかは、転職理由の2つの質問「会社を辞めた理由」と「なぜ自社に転職しようと思ったのか」をいかに明るい未来に結び付けられるかによって判断されます。
貢献できる人材ということをアピールすることは転職時には重要なポイントになるのです。
おわりに
転職の理由は人それぞれ異なる理由がありますが、転職活動を成功させるためのポイントは、ネガティブな感情を入れず事実を話すこと、会社を辞めた理由と志望動機を関連付けアピールポイントとして話すこと、貢献できる人材であるということ伝えることが大事になります。
この3つのポイントを押さえ、整備士としても新たな一歩を踏み出してください。