就職・転職活動で、求職者の方が応募先に必ず伝えることが「自己PR」と「志望動機」の2つです。これらは応募者の第一印象に直結するため、正直に伝えつつ好印象を持ってもらえる内容とすることが大切です。
この記事では、整備士の就職・転職時の志望動機の書き方やポイント、パターン別の例文をご紹介します。自己PRの作成方法やポイントについて知りたい方はこちらも参考にしてください。
自動車整備士の転職活動で役立つ自己PRの書き方やポイント・志望動機との違い – 【 メカニッ求 】 整備士・メカニックなど自動車業界の求人・転職サイト
志望動機はなぜ必要?企業は何を見る?
企業は、志望動機を通して「会社とマッチしている人物かどうか」を見極めます。求職者の熱意、会社の方針と合っているか、求職者の人柄や経験を確認するため、企業が求めている情報をしっかりとまとめて作成することが必要です。
① 求職者の熱意
企業は、志望動機から「なぜこの企業を選んだのか」を知りたいと思っています。なぜその企業でなければならないか、入社後にどのような貢献ができるかという熱意を伝えることが重要です。企業理解を深めて、自分の過去の経験や価値観が結びついていると、より熱意や本気度が伝わります。
② 会社の方針とマッチする人物か
企業は、志望動機を通して「自社が求める人物像とマッチしているかどうか」を見極めます。求職者の価値観や挑戦したいことが、会社の方針や社風と一致していることをアピールしなければなりません。そのため、企業研究をしっかりと行い、会社の方針と自分の価値観をリンクさせることが大切です。
③ 人柄や経験
求職者の人柄や経験も、企業が志望動機で注目するポイントの一つです。仕事への姿勢、協調性などの内面的な人柄や、これまでどのような経験をしてどんなスキルや考え方が身についたかを見ています。志望動機に自身の人柄や経験を入れて、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるようアピールすることが大切です。
志望動機と自己PRの違いは?
志望動機と自己PRは似ていますが、目的や伝える内容は異なります。それぞれの違いについて見ていきましょう。
志望動機とは
志望動機とは前述の通り、求職者の熱意や人柄、経験、会社とのマッチ度を確認するための項目です。ここでは、「応募先企業を選んだ理由」と「入社後に貢献したいこと」を明確に伝えます。企業の社風や方針への理解を深め、企業が求める人物像と自分の価値観や経験を照らし合わせて志望動機に落とし込むことが大切です。
自己PRとは
自己PRとは、求職者の経験やスキル、人間性について確認するための項目です。ここでは、「どのような経験・スキルを持っているか」「その強みを入社後にどう活かせるか」をアピールします。企業が求める人物像と、自分のアピールポイントとの接点を見つけて、企業に興味を持ってもらえるような内容にすることが大切です。
志望動機は「なぜこの企業を選んだのか」、自己PRは「自分の強みが応募先企業でどう活かせるか」を伝えるという明確な違いがありますが、どちらも企業の求める人物像をしっかりと理解して作成することが重要となります。
自動車整備士が志望動機を書く前に準備すること
志望動機は選考担当者に自身の思いを分かりやすく伝えることが大事です。企業に就職・転職する意欲や熱意をアピールできるように、志望動機を書く前に準備しておくことを確認しておきましょう。
自身の経験やスキルの棚卸し
整備士は知識のほかに技術・スキルが必要となる職業です。選考担当者も、どのようなスキルを持っているのか、どんな経験を積んできたのかというところを見ています。ご自身の持つ経験やスキルを棚卸しすることで、強みやアピールポイントに繋げることができます。
企業調査
志望動機を作成するうえで応募企業について調べることは欠かせません。企業が発信している情報や取り組んでいること、求めている人材などを調査してご自身が感じた魅力を伝えることが大事です。企業理解を深めて、応募先企業とご自身の価値観のすり合わせをしましょう。
自動車整備士の志望動機作成時のポイント
志望動機とは、端的に言うと「その職場で働きたい理由」です。選考担当者は特定の要素に注目して志望動機をチェックしますが、採用企業に興味を持ってもらうためには順序を意識することも大切です。選考担当者が一緒に働きたいと思うような志望動機を伝えられるように、以下のポイントは必ず含めましょう。
簡潔な志望理由
まずは、「なぜ応募したのか」という志望理由を簡潔に記載します。整備士という職業を選択したご自身なりの理由を、必ず明記しましょう。経験談などを踏まえた、可能な限り具体的なエピソードを交えると効果的です。
志望するに至ったエピソードを伝える
整備士を志望するに至ったきっかけや経緯について、エピソードを伝えましょう。これまでの経験や学んできたことが自身にどのような影響を与え、その職場を選んだかを明確に伝えることが大切です。また、エピソードを作成する際は、応募先企業が求めている人物像と照らし合わせることがポイントです。
応募先企業のどこに惹かれたか
こちらも同じく、ご自身の経験や生い立ちなどを絡めて「この職場でなければならない理由」や「他の企業にはない、応募先企業に感じた魅力」が相手に伝わる内容にしましょう。応募企業のことを十分知らないまま作った志望動機だと、ありきたりな内容のため説得力が乏しくなります。応募先企業の特色や特徴、基本的な情報収集を行い、企業理解を深めておくことが大切です。
入社後の目標や、貢献できること
選考担当者は、応募者が「この職場で働いている将来の自分」をイメージしているかどうかを必ずチェックします。「入社したらどのように貢献していくのか」、「応募先企業での経験を通してどんな整備士になりたいのか」といったキャリアイメージを記載することが大切です。「○年以内に××を達成」などまで具体的にならなくても良いので、その職場で働くご自身が整備士として、どうなりたいかが伝わるようにしましょう。
自動車整備士向け志望動機の例文
志望動機は筋道を立てて説明することが大切です。また、面接時は履歴書の記載事項と矛盾が発生しないように説明しましょう。ここからは整備士の就職・転職活動に向けた、パターン別志望動機の例文をご紹介します。
あくまで履歴書や職務経歴書の作成時の参考として、志望動機の内容や言い回しを考える際にお役立てください。
【新卒向け】整備士への就職を希望するパターン
私は子どもの頃から自動車好きでしたが、中でもとりわけ貴社で取扱う〇〇社の車種がずっと好きです。それらの各車種をもっと深く知り、乗るお客様たちの役に立ちたいと思い整備士となりました。
今回志望した理由は、〇〇社の直営店である貴社で、知識と技術の両面から〇〇社の車種をしっかり学び、自動車に生涯かかわっていきたいと思ったからです。そしてお客様のご質問にも的確に答え、満足していただける整備を行える整備士として、貴社に長く貢献したいと考えています。 |
【現役整備士向け】整備士への転職を希望するパターン
前職では民間の整備工場で働いており、主に乗用車の整備業務を行っていました。経験を積んでいく中で、より自分のスキルを磨き、最先端の技術を身につけたいと強く思うようになりました。
貴社の整備台数が多いことや、最新の車種を取扱っていることに魅力を感じ、志望いたしました。自動車整備士としてより高い技術を身につけ、幅広い車種を担当できる自動車整備士になりたいと考えています。 |
【未経験者向け】整備士への転職を希望するパターン
【無資格未経験者の場】
貴社は研修制度が充実しており、未経験であっても整備士として着実にレベルアップできる環境が整っていることに魅力を感じ、志望いたしました。貴社での研修を通して整備士としての基礎的な技術や知識を身につけ、将来的には2級・1級の自動車整備士資格を取得したいと考えています。自分自身のスキルを磨きつつ、貴社に長く貢献できるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。 |
【有資格未経験の場合】
整備士の学校に進学し自動車整備士2級の資格を取得しております。卒業後はそのまま整備士の道へ進む予定でしたが、家庭の事情により一旦整備士の道を諦めることにいたしました。
今年から状況が変わり、長年の整備士の仕事に対する思いを実現できるタイミングが訪れたため転職を決意いたしました。その中で貴社はお客さまの声に耳を傾け、希望を汲み取りながらお客さまの安全を守ることを最優先にしていることを知り、貴社に志望いたしました。車は便利で楽しいものですが、同時に扱いを間違えると取り返しのつかない悲劇を生み出すものでもあるため、お客様が安全に車を楽しめるよう、貴社の整備士として貢献していきたいと考えています。 |
無資格・未経験でも自動車整備士になれる?就職先を選ぶ際のポイント – 【 メカニッ求 】 整備士・メカニックなど自動車業界の求人・転職サイト
自動車整備士の志望動機作成時の注意点とNG例
整備士としての就職・転職活動時の志望動機で、NGとなる内容や表現についても押さえておきましょう。以下は志望動機作成時に、できれば含めないよう工夫することが無難です。
抽象的な内容はNG
「手に職を付けたいので」「待遇が良さそうなので」「土・日休みなので」など、どの応募先でも使えそうな漠然とした志望動機は注目されません。「なぜその企業でなければならないのか」「競合他社と違う魅力」などを明確にし、整備士としてのご自身の人物像が分かる、具体的な内容を含めることが大切です。
過去の経験に関する自慢はNG
履歴書や職務経歴書に記載した内容と、面接での応答の内容が食い違ってしまうと面接官も矛盾を感じます。面接までを意識し、書類に記載した内容と一貫した回答ができるようにしましょう。書類のコピーやデータを面接までによく確認し、面接で的はずれな回答とならないよう準備しましょう。
自己主張が強すぎるのはNG
たとえば、自分なりの仕事のやり方にプライドを持っていても、応募時にそれを主張しすぎると「仕事を教えにくい人」「協調性に欠ける」などの印象を与えてしまうかもしれません。伝えたい内容を明確かつ具体的にすることは大事ですが、それ以上の強い主張は避けたほうが無難でしょう。
面接の志望動機は履歴書と同じ内容でも問題ない
面接時の志望動機は、履歴書と同じ内容でも問題ありません。ただ、履歴書の内容を暗記して「一字一句同じ内容を読み上げる」ことは避けましょう。面接時に志望動機を伝えるときは、履歴書の内容に補足や詳細な情報などをプラスして、より内容が伝わりやすいように答えるのが効果的です。しかし、多くの情報を付け加えて志望動機が長すぎてしまうのはNGとなります。面接での志望動機は1分~2分程度で答えるのがベストなため、要点をしっかりとまとめて作成することを意識しましょう。
おわりに
書類の志望動機の記入方法に関する情報やノウハウは、一般的な就職活動向けに偏ってしまいがちです。しかし整備士として就職・転職活動をする場合は、一般の就活での例が当てはまらない場合もあります。また、履歴書に記載すべきことは、志望動機意外にも数多くあるため、書き方のポイントをしっかり押さえ、書類選考の次につながる書類を作成することが大事です。