ディーラーとは?サブディーラーとの違いや仕事内容・年収について解説

業界情報

自動車整備士や自動車販売員として働くことを希望している方の中には、ディーラーを就業場所の選択肢の一つに考えている方も多いのではないでしょうか。

ディーラーの他にサブディーラー(販売店)もあり、何が違うのか気になる方もいるかもしれません。

この記事では、ディーラーとはどのような店舗なのか、ディーラーの具体的な仕事内容やサブディーラーとの違いを解説します。ディーラーで働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ディーラーとは?

ディーラーとは、特定の自動車メーカーと特約店契約を結んでいる販売業者のことで、正規販売店を意味します。特約店契約を結んでいるため、その他のメーカーの車種は取り扱いを行いません。

ディーラーでは、新車販売や中古車販売、車検などの点検・メンテナンス、故障時の修理対応などの業務を行います。メーカー専門の販売店なので、販売からアフターフォローまでを全般的に扱う業者であるといえます。

直営ディーラーと地域ディーラーがある

ディーラーには、メーカー直営ディーラーと特約店契約を結んでいる地域ディーラーの2つがあります。

直営ディーラーは運営母体が運営しているということもあり、サービス水準が定められていたり、在庫が豊富だったりといった特徴があります。海外メーカーのディーラーは、大半が直営メーカーです。

一方、地域ディーラーはフランチャイズ店のようなイメージで、店舗ごとにそれぞれ独自色や個性を打ち出している傾向があります。

元々、地域ディーラーには取り扱い車種を限定している店舗などもありましたが、現在は全店全車種対応に切り替えの動きが進んでいます。また、傾向としてはアフターサービスなどを通じて、地域密着の特色を強める傾向が見られます。

ディーラーとサブディーラー(販売店)の違い

サブディーラー(販売店)とは、特約店契約を結んでいない販売店のことを指します。単一のメーカーに縛られることなく、複数メーカーの車種を取り扱っている点が大きな特徴です。

ディーラーとサブディーラーの最も大きな違いは、メーカーと特約店契約をしているかどうかという点です。ディーラーは、特約店契約を結んでいるメーカーの自動車しか販売していませんが、サブディーラーは複数のメーカーの自動車を取り扱えます。

ディーラーとサブディーラーの仕事内容の違い

サブディーラーは、ディーラーと同じく新車・中古車の販売や車検などの点検・メンテナンスなどに対応しているため、仕事内容もあまり変わらないでしょう。

ただし、サブディーラーの中には整備工場を構えていないこともあり、ディーラーの下請けとして修理・メンテナンスの受付のみを行う場合もあります。

ディーラーの仕事内容

ディーラーで働く場合には、具体的にどのような仕事内容があるのでしょうか。

ここでは、営業・整備・事務の3つの仕事内容をご紹介します。仕事内容は大きく3種類に分かれますが、店舗では営業スタッフが事務スタッフをサポートしたり、メカニックが商談に加わったりするなど、相互にサポートや一部兼任をしたりしながら、業務を行うこともあります。

整備士

ディーラーでは、車の修理や点検も受け付けているため、整備士も在籍しています。ディーラーの整備士の主な仕事内容は以下の通りです。

  • 自動車の修理
  • 車検などの定期点検
  • リコール時の修理対応
  • 販売した新車のオプション品取り付け

営業職がフロント業務として顧客と直接対面するのに対して、メカニックはアフターサービスをフォローする業務が中心です。リコール時の対応や新車へのオプション品取り付けは、ディーラー系のメカニックならではの業務です。

ディーラー整備士とは?メリットや民間整備工場との違いについて

営業

車を販売するため、ディーラーでは営業担当者が在籍しています。自動車ディーラーの営業職としての業務は以下の通りです。

  • 新車・中古車の販売(店頭での商談)
  • オプションやサポートサービスの紹介・販売
  • 顧客からの相談対応(買い替えのタイミング・車種など)

来店されたお客様に対して、自動車の魅力を伝え、自動車の販売につなげます。営業は、個人だけではなく法人相手に行うこともあるでしょう。営業職スタッフの仕事は、店舗の売り上げに直結するだけでなく、顧客にとっての店舗の「顔」ともいえる業務です。

事務

ディーラーの仕事として事務作業もあり、事務職を雇っていることがあります。ディーラーの事務スタッフは、以下の業務を担当します。

  • 経理・総務などの事務
  • 店頭での受付対応
  • 顧客からの電話対応
  • 車検やメンテナンスの予約受付
  • 自動車のリスト作成や部品発注
  • 整備の受付や見積もり

一般的な事務の業務と共通する部分もありますが、店頭に来た顧客対応や車の登録申請など、カーディーラーならではの車に関わる業務の割合が多くなります。また、お客様と関わることが多いことから、接客スキルが求められるでしょう。

ディーラーの平均年収

国税庁が発表している「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、全体の平均年収は「約460万」となっています。ディーラーの平均年収はどのくらいなのでしょうか。

ここでは、ディーラーの職種別に平均年収を見ていきましょう。

整備士の平均年収

出典:一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会「令和5年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」を元に作成

ディーラーで働く整備要員の平均年収をご紹介します。日本自動車整備振興会連合会が発表しているデータによると2023年の平均年収は「約490万円」でした。全体の平均年収よりも、やや高い傾向にあることがわかります。自動車整備士の場合は、持っている資格によって、変わってくることもあるでしょう。

営業の平均年収

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」を元に作成

自動車営業職従事者の平均年収は、2023年は「約533万円」でした。メーカーにもよりますが、全体の平均年収が460万円なので、平均よりも高い傾向にあることがわかります。

事務の平均年収

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」を元に作成

ここでは、受付・案内事務員の平均年収をご紹介します。受付・案内事務員の平均年収は、2023年は「約321万円」でした。全体の平均よりも低く、営業や整備士と比較してもやや低い傾向にあります。ただ、経験を積み昇進することで、昇給につながるでしょう。

おわりに

今回は、ディーラーについて解説しました。

ディーラーは、特定メーカーの自動車だけを扱うため、「このメーカーが好き」などの思いがある方にはおすすめの職場です。ディーラーでは、整備士の他に、営業や事務といった職種もあります。車に関わる仕事がしたいという方には、ぴったりでしょう。

 

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