男性が多いイメージのある自動車整備士ですが、もちろん女性でもなることができますし、むしろ女性の方が働く上で有利になることもあります。しかし、どうすれば自動車整備士になれるのか、自動車整備士とはどんな仕事なのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、実際に自動車整備士のなかで女性はどのくらい活躍しているのか、また、女性が自動車整備士をすることのメリットなどの紹介を踏まえながら、女性自動車整備士として働く場合の確認ポイントや自動車整備士のなり方について解説します。車好きの女性や自動車整備士に興味のある女性は、ぜひチェックしてみてください。
女性の自動車整備士はどのくらいいるの?
女性の方が自動車整備士を目指すにあたって、女性整備士がどれぐらいいるのか気になる、という方もいるでしょう。そこでここでは、実際の女性整備士の人数をはじめ、自動車整備士における男女比率についてご紹介します。
【2024年版】女性整備士の割合
一般社団法人日本自動車整備振興会連合会の調査によると、2024年(令和6年)の女性整備士は10,567人でした。総整備士数から女性の占める割合を見てみると3.2%で、96.8%を男性が占めていることがわかります。
また、整備要員数を見てみると、女性整備要員数は19,335人でした。女性整備士数よりも整備要員数のほうが多いですが、総整備要員数に占める女性整備要員数の割合は4.8%になっています。
出典:一般社団法人日本自動車整備振興会連合会「令和6年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」
女性の整備士は増えている?
出典:一般社団法人日本自動車整備振興会連合会「自動車特定整備業実態調査結果概要(令和2~6年)」をもとに作成
女性整備士数の推移を見てみると、2020年(令和2年)の調査では11,128人であったのに対し、2024年(令和6年)は10,567人でした。以前に比べて女性整備士が減っていることがわかります。
整備士全体を見ると、女性整備士の割合は少ない状況ではありますが、全国で1万人以上の女性整備士が活躍しています。まだまだその数は少ないとはいえ、近年の日本では女性の社会進出が進んでいる傾向にあることから、さらなる女性整備士の活躍が期待されます。
女性自動車整備士の給料は?
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 / 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
次に、厚生労働省が発表している「令和6年賃金構造基本統計調査」から、女性自動車整備士の給料を見ていきましょう。
自動車整備・修理業者の「きまって支給する現金給与額」を見ると、男性は「約34.9万円」なのに対して、女性は「約31.5万円」でした。男女差がありますが、
一般労働者の平均給与を見ると、女性は約27.5万円です。給与に男女差がある職種ではあるものの、一般労働者の給与と比較すると、高い傾向にあります。
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況 資金の推移」
女性でも自動車整備士として活躍できる
全国で1万人以上の女性整備士が活躍しているということからもわかるように、自動車整備士は男性だけの職業ではなく、女性も十分活躍できる仕事です。
自動車整備士業界は人手不足
自動車整備士業界は、少子化や若者の車離れ、職業選択の多様化により、自動車整備士を目指す人が少なくなっているのが現状です。また、自動車整備士業界の高齢化が進んでいることから、将来自動車整備を支える人材不足が顕在化する恐れがあるといわれています。
そこで、注目されているのが「女性の人材」です。女性も自動車整備士業界に参入しやすいように、働く環境の改善に努めています。女性整備士の採用にはさまざまなメリットがあるとされています。
女性整備士ならではのメリット
整備士は、女性だからこそ起こるメリットもあります。
女性客からの支持を得られる
女性整備士のメリットとして、まず女性のお客さまから支持を得られやすい点が挙げられます。女性のお客さまにとって、整備士が同じ女性だと整備を任せやすかったり愛車に関して相談しやすくなったりするでしょう。
女性ならではの配慮や気配りができる
1つのミスが事故や故障のリスクを高めてしまう自動車整備士は、細かい部分にまで気付く力がとても重要です。また、修理や点検などの際にこの繊細な感覚が発揮されるだけではなく、お客さまとの接客においても、細かい気配りが信頼関係の構築に役立ちます。こうした女性ならではの配慮や気配り、丁寧さが強みとなります。
話しやすい
自動車整備士は、整備内容の説明などをするためにお客さまとコミュニケーションをとる機会が多くあります。女性のほうが話しかけやすいという方も多くいます。
特に女性のお客さまは、女性整備士のほうが話しやすいという理由で、女性整備士を雇用してから女性客が増えた、というケースもあるようです。
腕が細いので奥まで手が届きやすい
男性に比べて手指が細い女性は、修理や整備の際に、男性では手や指が届きにくい部分にも届きやすかったり、繊細なパーツを扱うのに長けていたりする傾向にあります。そのため、男性整備士の不得意な仕事をフォローする立場としても活躍できるでしょう。
女性整備士が珍しいので覚えてもらえやすい
自動車整備士は、男性が多く女性が少ないことから、女性の整備士は印象が強くなります。また利用するきっかけになることもあるため、強みになることでしょう。
女性整備士の悩み
整備士のほとんどが男性です。そのため、女性整備士だからこその悩みもつきものです。ここでは、女性整備士が抱えやすい悩みについて解説します。
体力面で男性に劣るがこともある
車の整備には、重量のある部品や体力を使う作業などがあります。そのため、体力面で男性よりも劣ってしまうのではないかと心配になるのではないでしょうか。
自動車整備士は、確かに体力を必要とする業種です。しかし、最近は、女性の体力面をサポートしてくれる工具や機器が誕生しています。また、工具の使い方をしっかりと身に着けることで作業がスムーズに行くこともあります。難しいことは、男性に手伝ってもらうのも1つの手段です。
お客さまから信頼されにくい
女性のお客さまからは、多くの信頼を得られることができるでしょう。しかし、自動車整備士は、重労働であることから男性しかいないと思い込んでいる方もいます。女性に本当に任せても大丈夫なのか?と、心配に思う方もいるかもしれません。
女性特有のライフイベント等の理解を得られにくい
女性には、結婚・出産・特有のライフイベントがあります。このライフイベントについて、まだまだ理解が不十分な企業も多く、産休や時短勤務の導入が遅れているケースもあります。
また、男性が多い職場のため、相談しにくい環境であることも、女性整備士にとっては悩みの種になることがあります。
女性が整備士として働く上で確認しておきたいこと
女性整備士は近年増加傾向にあるとはいえ、自動車整備士のなかではまだまだ少数です。そのため、就職先や転職先を選ぶ際には、職場環境の整備などについて確認しておくことも大切です。
ここでは、女性整備士として働く際に確認しておきたいポイントについてご紹介します。
女性整備士が働きやすい環境が整っているか
これまで男性整備士だけが従事していた工場では、女性整備士が働きやすい環境が整っていない可能性があります。働く前に、以下の4つについて確認しておくと良いでしょう。
腕力のなさをサポートしてくれる機材が充実しているか
車の部品のなかには、女性にとって重いものもあります。重い部品を持ち上げる際などに補助をしてくれるような機材があるかどうかや、今後補助機材を導入する予定があるかについては確認しておきましょう。
女性用の更衣室・トイレはあるか
男性が多い職場の場合、女子トイレや更衣室がない可能性もあります。プライバシーや安全面に関わるので、事前に確認しておきましょう。
女性用の備品が充実しているか
会社で規定の作業服などがある場合、男性用しか用意されていない場合もあります。女性用の備品が準備されているかを確認しておくと良いでしょう。
女性を前提とした制度があるか
女性の雇用経験がなかったり、浅かったりする会社の場合、産休や育休などの福利厚生制度が整っていないこともあります。産休や育休があるのか、復帰後の時短勤務などの業務軽減措置があるかなどについても確認することが大切です。
特性として確認しておきたいこと
上記の4つの確認ポイントに加えて、そもそも自動車整備士として働く適性があるかも確認しておくことも重要です。女性が少ない職業だからこそ重要となる確認事項もあるので、チェックしておきましょう。
車に関わる仕事・車が好きかどうか
自動車整備士は、毎日車に向き合う必要があるため、車に関わる仕事や車が好きでないと長く続けることは難しいかもしれません。
毎日の仕事を楽しく前向きに行うためにも、今一度、自分が車好きであるかどうか確認してみるといいでしょう。
男性比率が多いなかで働くことに抵抗はないか
女性整備士は全国的にも少ないため、当然、男性ばかりの職場がほとんどです。そんななかでストレスを溜めることなく働いていけるか、抵抗なく働けるかを一度考えておきましょう。
キャリアアップ制度があるか
キャリアアップすることで、給与も上昇します。キャリアアップ制度がしっかりとしているか、女性でもキャリアを築くことができるかどうかチェックすると良いでしょう。
また、産休・育休が安心して取得できるよう、復職時の研修制度が設けられているかどうかも確認しておくと安心です。
女性整備士になるには
女性整備士として活躍するためには、自動車整備士の資格(国家資格)を取得する必要があります。以下をチェックして、自分に適した自動車整備士資格を取得しましょう。
自動車整備士の資格を取得しよう
自動車整備士は、資格がなくても整備士として働くことができますが、できる仕事に制限があります。キャリアアップのためにも、自動車整備士の資格を取得することをおすすめします。
働きながら実務経験を積み、資格を取得する
自動車整備士の資格は、学校に通わなくても、実務経験を積むことで受験資格を得られます。
働きながら資格取得をする場合は、まず3級合格を目指します。さらに実務経験を積むことで、2級・1級の受験も可能です。実際に働きながら現場で知識を身につけ、試験勉強と両立することで、資格取得を目指す方も多くいます。この方法は、早く現場で働きたい方や、費用を抑えたい方に向いているといえるでしょう。
自動車整備士の専門学校に通う
次に、自動車整備士の資格を取得する方法として専門学校に通う方法があります。これらの学校では、卒業と同時に国家試験の受験資格を得られるカリキュラムが組まれており、実習を重視した教育で効率よく技術を身につけることができます。3級であれば、すぐに受験できるケースもあります。
自動車整備士の資格の種類
自動車整備士の資格には、大きく分けると以下の4種類があります。
3級自動車整備士
自動車整備士のなかで、最も初歩的な資格となります。ガソリン自動車・ディーゼル自動車・シャシ・二輪自動車に特化しているので、仕事内容が制限されます。
3 級自動車整備士とは?仕事内容や年収、試験内容について解説

2級自動車整備士
3級自動車整備士が担う仕事内容に加えて、エンジンや足回りの分解整備が行える資格です。
2級自動車整備士資格とは?仕事内容や年収、試験内容について解説

1級自動車整備士
四輪・三輪の小型自動車や軽自動車など、取り扱える車の幅が大きく広がる資格です。持っていると転職などで有利に働くでしょう。
1級自動車整備士資格とは?仕事内容や年収、試験内容について解説

特殊自動車整備士
自動車整備士のなかでも、特定の部品や装置に関する専門的な知識や技術が必要な資格です。
特殊整備士とは?受験資格や試験内容・取得するメリット仕事内容や資格の種類について解説

おわりに
男性のイメージが強い自動車整備士ですが、近年では女性整備士も増加傾向にあり、さらなる女性整備士の活躍が期待されます。女性整備士には、細やかな気配りや仕事の丁寧さなど、女性ならではのメリットも数多くあるので、車好きの女性はぜひ目指してみてください。
しかし、女性が少ない職業だからこそ、働きやすい環境の職場探しに難航してしまうということもあるでしょう。株式会社レソリューションでは、コーディネーターがヒアリングをして、希望の雇用条件に近い求人をご紹介します。資格取得の支援も行っているので、ぜひお気軽にご相談ください。