自動車に高い興味関心を持っている方なら、1度は自動車関連の仕事に就きたいと考えたことがあると思います。人材不足の状況が続き「売り手市場」ともいわれる自動車業界への就職に挑戦するのは、十分に現実的な選択肢といえるでしょう。
この記事では、車好きの方におすすめしたい自動車関連の職業を5つご紹介します。
車好きの方におすすめの自動車関係の仕事5選
自動車大国としても知られる日本国内には、車に関わる仕事が数多くあります。なかでも車に直接関われる職業といえば、以下の5つが挙げられます。
自動車整備士
自動車整備士とは、自動車の修理や整備、点検などを行う業務です。事故や故障で修理が必要となった車を直すことだけでなく、新車を納車する際の整備や定期点検なども行います。自動車を安全に利用するために必要な職業で、交通事故などを減らす社会的な役割も担います。
自動車整備士に向いている方
自動車整備士の仕事に適しているのは、なんといっても車の構造や動作の仕組みに興味関心が深い方でしょう。それだけではなく、大きな部品を脱着したり長時間の整備作業を行ったりするため、体力と根気があることも重要です。
カーデザイナー
カーデザイナーとは、車の内外装をデザインする業務のことです。安全を保ちながら走行することが求められる車のデザインには、芸術的センスだけでなく工学的・力学的な専門知識も必要とされます。カーデザイナーは、内装をデザインするデザイナーの「インテリアデザイナー」、外装をデザインするデザイナー「エクステリアデザイナー」の2種に大別されます。
カーデザイナーに向いている方
車のデザインに興味があることはもちろん、魅力あるものを生み出すセンスやそれを表現する力も必要です。また、周りの意見を聞いて的確に形にする力や、市場を分析する力をバランス良く持ち合わせていることが大切でしょう。
カーディーラー
カーディーラーは、自動車メーカーの直営店・特約店で、特定のメーカーの車を販売する仕事です。新車や中古車の販売をはじめ、お客様が購入した車両の定期メンテナンスや定期点検も行っています。
ディーラーにはさまざまな業務内容がありますが、柱となっているのは販売を担当する「営業」、整備や点検を担当する「サービス(整備)」の2業務に分かれます。
カーディーラーに向いている方
ディーラーの営業職に適している方は、車に対する知識欲が深いことはもちろん、人と和やかに話すことが好きであることも大切です。お客様に喜んでほしい、安心してほしいという気持ちや、地域社会に貢献したいという意欲の高さが求められる仕事です。
自動車の開発・設計
自動車業界内では「開発エンジニア」「設計エンジニア」と呼ばれる業務で、商品企画担当者が出したアイデアを技術面で形にしていく仕事を行います。企画に沿った性能・デザインの自動車を作るために、設計やテストを重ねて開発していきます。
自動車の開発・設計に向いている方
最先端技術に興味関心が深い方や、これからの車作りに求められる環境への配慮や事故を減らすことなども商品力として捉え、前向きなものづくりをしたいと考えている方が向いているといえます。
自動車製造業
自動車製造業は、自動車の製造工場でさまざまな箇所を組み立てたり、部品を製造したりする生産現場の仕事です。プレス加工により新しい部品の製作や部品を組み立てるなど、いくつもの生産過程を得て、車を作っていきます。
自動車製造に向いている方
繰り返す作業が多いことから1つひとつの作業をすばやく丁寧に反復して行うことが得意な方や、安全のためには正確性が大切になるため正確に作業に取り組める方、1日立って仕事を続けられる方が向いているでしょう。もちろん、自動車やものづくりに興味・関心を持っていることも作業へのモチベーションに直結します。
車好きにおすすめする仕事の平均年収は?
ここでは、車好きにおすすめな仕事の平均年収についてご紹介します。
自動車整備士
自動車整備は「点検整備」「分解整備」「緊急整備」の3種に大別されています。壊れた車を直したり、性能を高めるための追加整備を行ったりするイメージが強いと思いますが、不調がないかチェックする点検も整備士の重要な業務です。
主な仕事内容は、車検や12カ月点検などの点検整備をはじめ、故障や事故で不調となった車の修理作業、エンジンやミッションなど重要部品を分解して異常を見つけ改善を図る作業などがあります。
自動車整備士の平均年収
厚生労働省が提供している「jobtag」によると自動車整備士の全国平均年収は、487.6万円だといわれています。他の車関連の業種と比べるともっとも低いですが、資格を取得したり役職に就いたりすることで、年収アップを目指せることもあります。
出典:厚生労働省 jobtag「自動車整備士」
カーデザイナー
カーデザイナーが行っている車のデザインは、外から見える外装からシートやメーター周りなどの内装、カップホルダーなどの細かな装備までさまざまです。デザイナーは商品企画の段階から企画会議に参加し、商品となる車のコンセプトや対象顧客などを緻密に反映したデザインを行わなければなりません。企画担当者やエンジニアと何度も協議を重ね、コンセプトや生産コスト、商品性に見合ったデザインを編み出します。
カーデザイナーの平均年収
厚生労働省が提供している「jobtag」によると、カーデザイナーも含まれるインダストリアルデザイナーの全国平均年収が509.3万円でした。平均は509.3万円ですが、就職先が自動車メーカーなのか、デザイン事務所なのかで変わることもあります。
出典:厚生労働省 jobtag「インダストリアルデザイナー」
カーディーラー
カーディーラーにはさまざまな仕事がありますが、営業職と整備職が2本の柱といえます。整備については自動車整備士の項目でご説明していますので、ここでは営業職について主にご説明します。
カーディーラーの営業職は、ショールームで来店客をもてなし新車の説明をして販売につなげるだけではありません。既存の購入客に点検や車検の時期を告知したり、買い替えの相談を受けたりすることも重要な業務です。このため外出の機会も多く、地域の方と多く接する地元密着型の業務ともいえます。
カーディーラーの平均年収
厚生労働省が提供している「jobtag」によると、カーディーラー(自動車営業)の全国平均年収は533.5万円となっています。国税庁が発表している「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると自動車業界を含む全体の平均年収は、460万円です。カーディーラーの全国平均年収533.5万円は、他の職種と比較すると高い傾向にあるといえます。
自動車の開発・設計
開発・設計担当者の業務分野は内部構造や外板、エンジンや駆動系など非常に多岐にわたり、それぞれに関する高い専門知識が求められます。繰り返し試作を行って求められる商品に近づけていく作業もたびたびあり、根気良く対応するスキルも必要でしょう。
車のさまざまな箇所や部品を設計する仕事をイメージする方が多いと思いますが、商品に見合った性能を開発するテスト担当者などの業務も開発・設計にあたります。
また、生産現場がスムーズに生産を行えるよう、監督や指導にあたる生産技術職も開発・設計業務の一環といえます。
自動車の開発・設計の平均年収
厚生労働省が提供している「jobtag」によると、自動車の開発・設計(自動運転開発エンジニア)の全国平均年収は「712万」です。他の車関連の業種と比較するともっとも年収が高い傾向にあることが分かります。
出典:厚生労働省 jobtag「自動運転開発エンジニア(自動車)」
自動車製造業
自動車製造の仕事は、自動車メーカーやその系列企業の車体工場や部品工場などでの生産業務です。
生産ラインで部品を順に組み付けて段階的に製品を完成へ近づけていく「組み立て」や、検査ラインで細部を確認し異常がないか確かめる「検査」、金属の材料を熱で溶かしながら組み立てる「溶接」などの業務があります。
自動車製造業の平均年収
厚生労働省が提供している「jobtag」によると、自動車の組み立てに関わる仕事の全国平均年収は533.4万円です。カーディーラーと同様に全体の平均年収よりも年収が高い傾向にあるといえます。
自動車業界の将来性は?
自動車業界は、変革の時代に入っているといわれています。
まず、自動車業界の今後の動向を表す言葉として、「CASE」があります。「CASE」とは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動化)、Smart / Shared&Services(スマート / シェアリング&サービス)、Electric(電動化)の頭文字を取った造語です。多くの自動車に関わる企業で、この「CASE」を意識した取り組みが採用されています。CASEにより、今後は技術の重要性が高まり、さまざまな業種との技術や事業連携が増えることも予想されています。
また、新しい移動の形である「MaaS」が進展していくことで、自動車業界に影響を与えるといわれています。MaaSは、地域住民や観光客の移動ニーズに合わせて公共の交通機関や自動車、自転車などの移動手段を最適に組み合わせて提供していくサービスを指します。このMaaSが自動車の新しい使い方を示し、自動車業界を大きく変革させるといわれています。
車関係の仕事を探すおすすめの方法は?
自動車関連の仕事の求人はたくさんありますが、ご自身に合う職場を1人で探すことは大変です。最適な職場探しには、就職活動のサポートから給与交渉までを行ってくれる就職・転職エージェントを利用することがおすすめ。自動車関係の仕事に就きたい場合は、自動車業界をよく知るエージェントを選ぶと良いでしょう。
おわりに
自動車関連の仕事は数多くありますが、整備の仕事を目指すとなると一般の就職活動とは違う習慣や特色があるのでは、と不安な方も多いでしょう。自動車整備士は現状人材が不足している業界です。売り手市場であっても自身の希望に合う職場を探すのは中々難しいといえます。そんな時には業界に強いエージェントを使うのも選択肢です。
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