男性が多いイメージのある自動車整備士ですが、もちろん女性でもなることができますし、むしろ女性の方が働く上で有利になることもあります。しかし、どうすれば自動車整備士になれるのか、自動車整備士とはどんな仕事なのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、実際に自動車整備士のなかで女性はどのくらい活躍しているのか、また、女性が自動車整備士をすることのメリットなどの紹介を踏まえながら、女性自動車整備士として働く場合の確認ポイントや自動車整備士のなり方について解説します。車好きの女性や自動車整備士に興味のある女性は、ぜひチェックしてみてください。
女性の自動車整備士っているの?
女性の方が自動車整備士を目指すにあたって、女性整備士がどれぐらいいるのか気になる、という方もいるでしょう。そこでここでは、実際の女性整備士の人数をはじめ、自動車整備士における男女比率についてご紹介します。
女性の整備士はどれぐらいいるのか
自動車整備士と聞くと男性をイメージする方が多いため、実際に女性の整備士がいるかどうか不安な方も多いかもしれません。また、自動車整備士になりたいと思っていても力仕事などは女性に勤まらないのではないか、と考える方や、女性整備士の数が少ないとなると、自動車整備士になったとしても活躍できるかどうか心配な方もいるかもしれません。
確かに自動車整備士の仕事では力が必要な場面もありますが、近年は機械化やコンピュータ化などが進んでいることもあり、女性でもほとんど問題なく整備士の業務をこなすことができる環境が整えられてきています。
次の項で、実際に活躍している女性整備士の人数を見ていきましょう。
実際の男女比
一般社団法人日本自動車整備振興会連合会の調査によると、平成31年度の女性整備士は10,258人、総整備士数に占める割合は3%となっており、97%を男性が占めていることがわかります。また、整備要員数を見てみると、女性整備要員数は17,409 人と、女性整備士数よりも数は多いですが、総整備要員数に占める女性整備要員数の割合は4.4%になっています。
なお、女性整備士数の推移を見てみると、平成26年度の調査では9,527人であったのに対し、平成31年度は10,258人であることからもわかるように、以前に比べて女性整備士が増えていることがわかります。
整備士全体を見ると、女性整備士の割合は少ない状況ではありますが、全国で1万人以上の女性整備士が活躍しています。まだまだその数は少ないとはいえ、近年の日本では女性の社会進出が進んでいる傾向にあることから、さらなる女性整備士の活躍が期待されます。
自動車整備士は女性でも活躍できる
全国で1万人以上の女性整備士が活躍しているということからもわかるように、自動車整備士は男性だけの職業ではなく、女性も十分活躍できる仕事です。そこでここでは、自動車整備士における女性ならではのメリットについてご紹介します。
女性ならではのメリット
自動車整備士における女性ならではのメリットは、主に以下の4つが挙げられます。それぞれのメリットがどのように活かされるかを、詳しくご説明します。
細かい気配りができる
1つのミスが事故や故障のリスクを高めてしまう自動車整備士は、細かい部分にまで気付く力がとても重要です。また、修理や点検などの際にこの繊細な感覚が発揮されるだけではなく、お客さまとの接客においても、細かい気配りが信頼関係の構築に役立つでしょう。
仕事が丁寧
上述したように、自動車整備士は1つのミスが大きな危険に繋がる仕事です。整備の見落としがないか、不良箇所がないかなど、一つひとつ丁寧にチェックすることが求められます。自動車整備において、仕事が丁寧なことは強みとなるでしょう。
お客さまの相談にのりやすい
自動車整備士は、整備内容の説明などをするためにお客さまとコミュニケーションをとる機会も多くあります。女性ならではの柔らかい接客は、お客さまとのコミュニケーションを円滑にしてくれます。
特に女性のお客さまにおいては、女性整備士のほうが話しやすいという理由で、女性整備士を雇用してから女性客が増えた、というケースもあるようです。
細かい場所にも手が届きやすい
男性に比べて手指が細い女性は、修理や整備の際に、男性では手や指が届きにくい部分にも届きやすかったり、繊細なパーツを扱うのに長けていたりする傾向にあります。そのため、男性整備士の不得意な仕事をフォローする立場としても活躍できるでしょう。
女性整備士として働く上で確認しておきたいこと
女性整備士は近年増加傾向にあるとはいえ、自動車整備士のなかではまだまだ少数です。そのため、就職先や転職先を選ぶ際には、職場環境の整備などについて確認しておくことも大切です。ここでは、女性整備士として働く際に確認しておきたいポイントについてご紹介します。
女性整備士が働きやすい環境が整っているか
これまで男性整備士だけが従事していた工場では、女性整備士が働きやすい環境が整っていない可能性があります。働く前に、以下の4つについて確認しておくといいでしょう。
腕力のなさをサポートしてくれる機材が充実しているか
車の部品のなかには、女性にとって重いものもあります。重い部品を持ち上げる際などに補助をしてくれるような機材があるかどうかや、今後補助機材を導入する予定があるかについては確認しておきましょう。
女性用の更衣室・トイレはあるか
男性が多い職場の場合、女子トイレや更衣室がない可能性もあります。プライバシーや安全面に関わるので、事前に確認しておきましょう。
女性用の備品が充実しているか
会社で規定の作業服などがある場合、男性用しか用意されていない場合もあります。女性用の備品が準備されているかを確認しておくとよいでしょう。
女性を前提とした制度があるか
女性の雇用経験がなかったり、浅かったりする会社の場合、産休や育休などの福利厚生制度が整っていないこともあります。産休や育休があるのか、復帰後の時短勤務などの業務軽減措置があるかなどについても確認することが大切です。
特性として確認しておきたいこと
上記の4つの確認ポイントに加えて、そもそも自動車整備士として働く適性があるかも確認しておくことも重要です。女性が少ない職業だからこそ重要となる確認事項もあるので、チェックしておきましょう。
車に関わる仕事・車が好きかどうか
自動車整備士は、毎日車に向き合う必要があるため、車に関わる仕事や車が好きでないと長く続けることは難しいかもしれません。
毎日の仕事を楽しく前向きに行うためにも、今一度、自分が車好きであるかどうか確認してみるといいでしょう。
男性比率が多いなかで働くことに抵抗はないか
女性整備士は全国的にも少ないため、当然、男性ばかりの職場がほとんどです。そんななかでストレスを溜めることなく働いていけるか、抵抗なく働けるかを、1度考えておきましょう。
自動車整備士の仕事
「自動車整備士=自動車を修理する人」というイメージを持つ方も多いですが、自動車整備士の仕事はそれだけではありません。ここでは、自動車整備士の仕事内容について簡単に解説します。
仕事内容
自動車整備士の主な仕事内容としては、以下の3つが挙げられます。
- 点検整備:車検など、車の状態を確かめて修理・メンテナンスを行う
- 緊急整備:突然動かなくなった車を修理する
- 分解整備:車を分解して点検・修理を行う
この他に、職場によっては板金塗装やお客さま対応が業務内容に含まれることもあります。


女性整備士になるには
女性整備士として活躍するためには、自動車整備士の資格(国家資格)を取得する必要があります。以下をチェックして、自分に適した自動車整備士資格を取得しましょう。
自動車整備士の資格
自動車整備士の資格には、大きく分けると以下の4種類があります。未経験で自動車整備士を目指す方は、まず3級自動車整備士を目指すといいでしょう。
3級自動車整備士
自動車整備士のなかで、最も初歩的な資格となります。ガソリン自動車・ディーゼル自動車・シャシ・二輪自動車に特化しているので、仕事内容が制限されます。

2級自動車整備士
3級自動車整備士が担う仕事内容に加えて、エンジンや足回りの分解整備が行える資格です。

1級自動車整備士
四輪・三輪の小型自動車や軽自動車など、取り扱える車の幅が大きく広がる資格です。持っていると転職などで有利に働くでしょう。

特殊自動車整備士
自動車整備士のなかでも、特定の部品や装置に関する専門的な知識や技術が必要な資格です。

おわりに
男性のイメージが強い自動車整備士ですが、近年では女性整備士も増加傾向にあり、さらなる女性整備士の活躍が期待されます。女性整備士には、細やかな気配りや仕事の丁寧さなど、女性ならではのメリットも数多くあるので、車好きの女性はぜひ目指してみてください。
しかし、女性が少ない職業だからこそ、働きやすい環境の職場探しに難航してしまうということもあるでしょう。株式会社レソリューションでは、コーディネーターがヒアリングをして、希望の雇用条件に近い求人をご紹介します。資格取得の支援も行っているので、ぜひお気軽にご相談ください。