自動車が好きな方や、機械整備に関わる仕事に就きたいという方におすすめしたい職業が、「自動車整備士」です。自動車整備士業界は人材不足の状況が続いていることや、未経験でも挑戦できる職業という点から注目されています。この記事では、自動車整備士になるメリットや自動車整備士になるための方法、なり方を解説します。
自動車整備士になるには?
自動車整備士になるには、専門の機関で学ぶ方法と、働きながら資格を取得する方法があります。
専門学校や養成施設で学ぶ
自動車整備士になりたいという方は、専門学校や養成施設で学んで資格取得を目指す道が一般的です。整備士養成課程がある高校、専門学校、職業能力開発校などの職業訓練校、自動車大学校で学ぶことができ、実務未経験の方を対象としています。養成施設の種類や期間によって受験できる級が異なるため、入学の前によく確認することをおすすめします。養成課程修了後、2年間は実技試験が免除され、学科試験のみの受験で良いなどの優遇制度があります。
「専門学校を検討している方はこちら(参考)」
実務経験を積んで資格を取得
未経験から整備工場などで働きながら資格取得を目指すこともできます。しかし、独学で学ぶには難しいと考える方もいるでしょう。
その場合、自動車整備振興会技術講習所という施設があります。平日夜や日曜などに講習を受けることができ、働きながら計画的に学ぶことが可能です。技術講習所の場合も、修了後2年間は実技試験が免除されます。
学校や養成施設に通わなくても未経験で自動車整備士になれる?
自動車整備士は、学校や養成施設に通わずに未経験の方でも、働くことができる職業です。
しかし、対応できる仕事には制限があります。例えば、無資格・未経験でもできる仕事は、エンジンオイルの交換やタイヤ交換、板金塗装の一部などです。車検業務・点検業務についても、できる作業があります。
自動車整備士の資格を取得した場合、ブレーキやエンジンの点検・整備・分解など、できる仕事の幅が広がります。必要な資格は働きながら取得することができるため、まずは未経験の状態で就業先を見つけてから資格取得を目指すことも可能です。
ただし、働きながら資格を取得する場合は、認証工場や指定工場で1年以上の実務経験がなければ受験資格を得られないため注意が必要です。
自動車整備士の資格の種類
自動車整備士の資格は国家資格です。3級・2級・1級と分かれており、難易度は3級→1級へと上がっていきます。そのなかでも車種やパーツによって細かく分類されています。ここで、具体的な自動車整備士の資格の種類をご紹介します。
3級自動車整備士
3級自動車整備士は、自動車整備士の入門となる位置にある資格です。2級・1級資格と比較すると、単独でできる整備内容に限りがある点が大きな特徴です。自動車整備士の基本的な整備を対応するため、まずは3級自動車整備士資格の取得を目指すのがおすすめです。
3級自動車整備士の具体的な受験条件や資格取得までの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
2級自動車整備士
2級自動車整備士は、整備業務全般の整備業務が可能となる資格です。2級自動車整備士は3級自動車整備士よりも業務の幅が広がり、エンジンや足回りなどの分解・整備・修理など高度な整備も単独で行えます。
2級自動車整備士の具体的な受験条件や資格取得までの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
1級自動車整備士
1級自動車整備士は、自動車整備士資格の最上位資格です。3級自動車整備士と2級自動車整備士ではできない高度な整備を単独で行ったり、最新技術の経験を積んだりすることができます。
1級自動車整備士の具体的な受験条件や資格取得までの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
自動車整備士になるメリットは?
今、自動車整備士という職業をおすすめしたい理由・メリットをまとめました。
整備士不足による需要増加
自動車整備士は全国的に不足しており、令和5年度の調査によると整備士数は331,255人と前年よりも減少しているのが現状です。背景には、少子高齢化や自動車への興味関心をもつ若者の減少などが考えられます。
自動車整備工場の数は減っていないなか、そこで働く整備士の数が不足しているため、自動車整備士業界は引く手あまたな状況なのです。整備士になっても就職先が見つからない、という状況になりにくい点は、整備士を目指す上でのメリットといえるでしょう。
技術の高度化に伴う価値の向上
近年はハイブリッド自動車や電気自動車など、環境に優しい自動車が普及しています。さらには、自動運転やインターネットの常時接続機能をもつコネクテッドカーなど、より安全で便利な自動車の開発が進められています。自動車整備士の役割はさらに広がりつつあり、その価値を上昇させているといえるでしょう。
また、技術の高度化に加えてクリーンディーゼル車や旧車などの需要も高まっていることから、整備士は幅広い知識・技術を持つことが求められており、その需要もなくならないことが予想されます。
安定した業界動向
若者の自動車離れが顕著になってきているとはいえ、国内の自動車生産台数は年間2000万台以上と、国の一大産業になっている状況には変わりありません。また、若い世代の自動車保有率は減少している一方で、レンタカー産業やカーリースの普及が拡大していることから、自動車業界全体が衰退しているとはいえないでしょう。
自動車は、どんな車種でも必ず整備を必要とします。自動車が生産・販売され普及し続ける限り、整備士の仕事はなくならないため、安定した職業といえるでしょう。
充実した国からのサポート制度
自動車整備士が不足している状況を国も懸念しており、対策を講じています。 厚生労働省では、2018年に「専門実践教育訓練給付金」の制度を拡充させました。自動車整備士になるための課程も、この専門実践教育訓練給付金を利用できます。
雇用保険に加入していた求職者であれば、厚生労働大臣指定の専門実践教育訓練を受講する際、受講にかかった費用の50%(年間40万円上限)がハローワーク(公共職業安定所)を通して支給されます。また、受講修了後1年以内に資格取得の上、就職をして雇用保険の被保険者となった場合は、費用の70%(年間56万円上限)で専門実践教育訓練給付金が再計算され、既支給分の差額を受け取ることができるのです。
金銭面で自動車整備士になることを諦めていた方は、ぜひ国のサポート制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
自動車整備士の仕事は人手不足が深刻な状況が続いており、将来性も高いといえます。自動車に興味のある方や機械整備の仕事を考えている方は、自動車整備士を目指してみてはいかがでしょうか。未経験からのチャレンジなので不安があるという方は、ぜひ「メカニッ求」をご活用ください。未経験OKの求人も多数ございます!