就職面接は緊張してしまう方がほとんどだと思いますが、基本的なマナーをしっかりおさえて臨めば自信となり、いくぶん緊張が和らぐ場合があります。
この記事では、転職活動の面接マナーと気を付けるべきポイントを解説します。面接の際、面接官がどこを見ているのかを本記事で確認し、リラックスして面接に臨みましょう。
転職活動の面接マナーと注意点
面接の基本的な流れに沿って面接マナーと注意点を解説します。
面接当日の準備におけるマナー
面接当日は、社会人として最低限のビジネスマナーを抑えておかなければなりません。その中でも服装、身だしなみといった見た目の印象は重要項目の一つです。男性・女性問わず、面接では基本的にスーツを着用します。アクセサリーや悪目立ちしそうな装飾の腕時計はNGです。髪型は顔がはっきりと見えるように整え、清潔感のある髪型にします。
また、香水は人によって好き嫌いが分かれるため、面接の場ではつけないのが無難です。面接官に「社会人としてのビジネスマナーが備わっている人」と思ってもらえるよう、面接当日までにしっかりと準備を整えて清潔感のある身だしなみを心がけましょう。
面接受付時の注意点
面接に指定された時間の5分から10分前には到着し、「○時に面接のお約束をいただいている〇〇と申します」と伝え、受付をしてもらいます。事前に面接場所までの移動にかかる時間を調べ、余裕を持って向かうようにしておくのが安心です。早く到着してしまった場合は、カフェなどで気持ちを落ち着かせましょう。お手洗いで身だしなみもチェックすることができます。
面接当日の遅刻は絶対にNGです。交通機関の事情などで万が一遅刻しそうになった場合は、すぐ担当者に連絡を入れ、指示をあおぎましょう。
コートを着用している場合は、建物に入る前に脱いでおきましょう。携帯・スマートフォンはこのタイミングでOFFにしておきます。
入室マナー
名前を呼ばれたらはっきり「はい」と答え、ドアを軽く3回ノックします。部屋の中から「どうぞ、お入りください」と声がかかったら、「失礼します」と声をかけて静かにドアを開け、面接官に向かって一礼して部屋に入ります
着席マナー
部屋に入ったらドアに向き直し、ゆっくり丁寧にドアを閉めてください。
椅子の横に立ち「〇〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と氏名を述べて一礼します。姿勢は印象を左右しますので、背筋を伸ばして肩の力を抜くように意識してください。
あいさつを終えてもすぐに座らず、指示を待ちます。面接官から着席を促されたら、「失礼します」と言って座ります。
カバンは着席するまで手に持ち、着席するときに椅子の横に立てておきます。コートなどもたたんでカバンと一緒にまとめておきましょう。
その他面接の場面での行動マナー
面接中は緊張しがちですが、面接官に好印象を与えるためには一つひとつの行動に気を付けることが大切です。相手の目を見て話すことは基本中の基本。面接官が複数人いる場合は、話している人の目を見ます。もし相手の目を見て話すのが苦手という場合は、相手の鼻や口元など目に近い場所を見るようにしましょう。
また、勝手に話し始めたり一方的に話し続けたりすると「人の話を聞かない人」と思われてしまいます。面接官からの質問を最後まで聞いてから話し始めることを意識しましょう。
退室時のマナー
面接が終了すると緊張がゆるみがちですが、応募先のオフィスがある建物を出るまで決して気を抜かないでください。
面接官から「本日はこれで終わりです」など終了の言葉が出たら、「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」と述べて一礼し、席を立ちます。椅子の横に立ったら背筋を伸ばして「ありがとうございました。失礼します」とあいさつして出口へ向かってください。
退室するドアの前まで来たら、面接官のほうを向き、「失礼します」と言って一礼します。退室したら静かにドアを閉めます。
応募先のビルを出るまでは面接中と考えて気を抜かず、念のため携帯・スマートフォンには触らないほうが無難です。
面接時に採用担当者がチェックするポイント
面接のマナーや流れは以上のとおりです。採用担当者の視点を理解して効果が期待できるような準備をしてください。
あいさつは声のトーンや大きさ
あいさつは明るい声で、はきはきとしっかり話してください。社風によって好まれるトーン・大きさは違いますので、面接官に合わせると良いでしょう。
話し方はテンポや言葉遣い
一方的に話さず、相手に理解してもらおうという気遣いのあるテンポが大切です。普段、人と会話するときと違って社会人らしい話し方を意識し、カジュアルすぎる言葉使いは控えてください。応募先企業の社風や面接時の空気に合わせ、堅苦しくなりすぎない程度に正しい敬語で話しましょう。
姿勢は常に背筋が伸びているか
うつむきや猫背は第一印象が良くありません。背筋は常に伸ばしましょう。椅子には深く腰かけ、背もたれには寄りかからないようにし、足はまっすぐそろえて座ります。
立っているときは肩の力を抜き、首はスッと伸ばしてください。お辞儀は30度ほどの角度でおこない、自己紹介や終了時の節目のお礼の際は45度ほどがおすすめです。
相手の目を見て話しているか
話を聞くときは相手に目線を送り、話すときも相手の目を見て話しましょう。視線を泳がす、目をそらすなどは挙動不審に思われますので、避けてください。相手の目を見られない場合は、鼻や口元、眉間など目に近い場所を見るように心がけましょう。
話の聞き方は適切か
自分以外の人が話しているときは話している人の方向に視線を向けましょう。面接官が複数人いるケースもあるため、話している人をしっかり見ましょう。相づちを打ちながら聞くことも大事ですが、相づちが多すぎるのは逆効果になりかねないため、話のテンポに合わせて適度に打ちながら聞くと良いです。
清潔感のある身だしなみか
面接時に大切なのは清潔感です。シャツやスーツはアイロンをかけ、エリの曲がりやネクタイの結び目もチェックします。靴はしっかり磨いておきましょう。髪も寝ぐせなどを残さず、ドライヤー・整髪料でキチンとした印象に整えます。
転職面接時に気を付けるべきポイント
着席したら面接がはじまります。面接で聞かれることはおおよそ決まっていますので、以下の内容を準備しておきましょう。
自己紹介
ほとんどの場合、冒頭に自己紹介を促されます。名前とアピールポイントを簡単に述べましょう。
●自己紹介例
「○○(フルネーム)と申します。本日は面接のお時間をいただき、ありがとうございます。 ○○を卒業後、株式会社〇〇で〇〇を3年間担当しました。これまでの経験を活かしてさらにステップアップするため、今回応募いたしました。よろしくお願いいたします。」 |
転職理由
前職の悪口につながるようなネガティブな理由は避けてください。不満があるとやめてしまう人という印象を残しかねません。転職理由は志望動機につなげてポジティブな印象にしましょう。
例えば、残業がつらいという場合は「残業が多く、資格取得の勉強がむずかしくなった。仕事の質を上げるために勉強したい」、給料に不満がある場合は「がんばれば昇給する環境で結果を出したい」など、前向きな理由と結び付け、「採用したら会社にとってプラス」というイメージを残すように伝えます。
志望動機
応募先を選んだ理由と入社後に実現したいことを話します。応募先への意欲、経験が応募先でどう活かせるか伝わるようにすると良いでしょう。
「資格が重要な仕事なので、〇〇資格を取得してリーダーとして活躍したい」「経験が活かせる職場で経験を積んで〇〇のスペシャリストになりたい」など、応募先でチャレンジしたい仕事を、応募先の募集職種に合わせて具体的に話せるようしておきましょう。
経験・スキルについて
経験やスキルについては面接官がイメージしやすいように話すのがポイントです。そのためにはこれまでの経験やスキルの棚卸しを行いましょう。今までどのような経験を積んできたか、どんなスキルを持っているかを整理し、そのうえで今回の募集職種にどのように貢献できるか、まとめておきましょう。
逆質問
面接の最後に「何か質問はありますか?」と面接官に聞かれます。ここでは働く意欲や志望度をアピールできるチャンスでもあるため、事前に質問を用意しておきましょう。「特にありません」と何も質問しないのは、意欲がないと思われる可能性があり、おすすめできません。また、ホームページを見れば分かる質問はリサーチ不足と思われて好印象にはつながらないので事前の情報収集が大事です。
「何か勉強しておいた方が良いことはありますか?」など、面接官が「意欲がある」「熱意を感じる」などの印象を持つ内容を質問しましょう。給料や福利厚生のことばかり質問するのはマイナスに働く場合もあるので、その他の質問と合わせて聞くとよいでしょう。
おわりに
転職面接で結果を出すためには、基本的なマナーをおさえることが前提です。そのうえで面接の際にチェックされるポイントをおさえて準備を行いましょう。
応募者が入社後どのように働き活躍してくれそうか、採用担当者・面接官に具体的なイメージを伝えることが大切です。