履歴書は応募先との最初の接点になるので、印象が良くなるように書きたいものです。
しかし、転職回数が多い人は、それだけで「マイナスになるのでは」と不安になるのではないでしょうか。
そのようなときは、むしろ職歴の多さをアピールポイントにできるように、書き方を工夫してみましょう。
今回は、転職経験の多い方が好印象を持たれるような履歴書の書き方について解説します。
職歴の書き方
職歴欄を書く際は基本的なマナーをおさえておきましょう。学歴、職歴ともに省略などをすると、経歴詐称と誤解されかねないので気をつけてください。
基本的な書き方のマナー
履歴書の職歴欄は、基本的には以下のような書き方になります。
- 在籍していた部署はすべて記入する
- 時系列順に記入する
- 西暦か和暦はどちらかに統一し、混在しないようにする
- 社名や部署名は省略せず、正式名称で記入する
法人格も(株)としないで「株式会社」と記載します。 - 最終行に「以上」と記入
最後は右下に「以上」と記入して締めくくります。
履歴書の学歴・職歴欄の正しい書き方の詳細は、こちらの記事で確認できますので参考にしてください。
職歴をすべて書ききれない場合の対処法
転職回数が多く、職歴欄にすべてを書ききれなくても、省略しないようにしましょう。以下のような工夫をしてみてください。
学歴欄を短くする
義務教育は省略してもかまいません。最終学歴の一つ前から記入するといいでしょう。
入社と退社を同じ行に書く
【記入例】
2015年4月 株式会社〇〇入社
2016年6月 株式会社〇〇一身上の都合により退社
↓
2015年4月 株式会社〇〇入社(2016年6月 一身上の都合により退社)
職歴欄が多い履歴書を使用
市販の履歴書にはさまざまなタイプがあるので、職歴欄が多い履歴書を探してみるのもいいでしょう。インターネット上のエクセルで作成された無料テンプレートをダウンロードした後、自分で加工して職歴欄を増やすやり方もあります。
職務経歴書に詳細を書く
職歴欄の記入はできるだけ簡潔にしておいて、末尾に「詳細については職務経歴書に記載」「詳細は職務経歴書をご参照ください」などとするやり方もあります。
その場合は別紙で用意した職務経歴書に詳しく書き込みます。
具体的な記載の工夫方法
正社員での就労経験や、派遣社員、パート・アルバイトなどの職歴がある場合の記載ポイントを解説します。
正社員の場合
短期間でも正社員もしくは契約社員として働いた経験がある場合は、すべて記載しましょう。
所属していた部署が応募先のアピールになりにくいときは省略し、別紙の職務経歴書に記入します。
派遣社員の場合
登録していた派遣会社と派遣先、業務内容・就業期間がわかるように記入すれば問題ありません。派遣先が多くて職歴欄に書ききれない場合は、別紙職務経歴書を用意します。
パート・アルバイトの場合
正社員・契約社員の経験が豊富な場合は、アルバイト・パートなどの職歴は記載しなくても大丈夫です。ただし、アルバイト先で社会保険に加入していた場合は、記入しておきましょう。アルバイトで社会保険に入るためには勤務時間数などの規定があり、社会保険に入れるほどに働いたというアピールにもつながります。
複数のコンビニエンスストアで勤務したなど、同じ業種・同じ職種はまとめて記入してもかまいません。応募先で活かせるようなアルバイト経験があれば、具体的に記載していきましょう。
資格・免許の書き方については、こちらの記事をご覧ください。
職歴の多さをマイナスにしないために
職歴の多さはマイナスイメージにとらえられがちですが、そもそも職歴欄は転職回数を審査する欄ではなく、仕事で得た経験・スキルをアピールするためにあります。
職歴の多さはマイナスか
職歴の多さはすべてマイナスにつながるわけではありません。それぞれの職業で何を経験し、どのようなスキルが身に付いたのか説明できるようであれば、むしろ強みにもなります。正当な転職理由と前向きな姿勢が大切です。
アピールするためのポイントは一貫性と具体性
考え方の一貫性と、キャリアアップを図ろうとする意志に具体性があれば、職歴は立派なアピールポイントです。
「取引先が変わることでこのようなスキルが身に付いた」「同じ職種だがさまざまな商品を扱えるようになった」など、具体的に話せるようにしておきましょう。転職の際は、職歴の多さより、前職での経験を応募先でどのように活かせるかが大切になります。
おわりに
履歴書の職歴欄が書ききれない場合は、「省略する」「まとめる」工夫から始めましょう。
転職回数が多いことは、転職時には足かせになるようにも思えますが、必ずしもそうであるとは限りません。大切なのは、前向きな姿勢と、それぞれの職歴でどのような経験、スキルを磨いてきたのかをアピールできるかです。